ロサンゼルス・ドジャースがワールドシリーズ第2戦でトロント・ブルージェイズを 5対1 で破り、シリーズ成績を 1勝1敗のタイ に戻しました。
この勝利の中心にいたのは、9回1失点の完投勝利 を収めた先発投手 山本由伸(やまもと よしのぶ)。
ポストシーズン2試合連続完投という偉業は、ドジャースの投手運用に大きな余裕をもたらし、ウィル・スミスの決勝ホームランを含む効率的な攻撃がその勝利を支えました。
そしてシリーズの舞台はロサンゼルスへ。第4戦に予定されている 大谷翔平(おおたに しょうへい) の登板が、このシリーズ全体の流れを左右する最大の要因となりそうです。
山本由伸、2試合連続完投がもたらす心理的インパクト
第1戦での 4対11の大敗 の後、第2戦の先発マウンドに立つというのは、並大抵の重圧ではありません。
しかし山本は1回から9回まで、実に 122球近くを投げ抜き、わずか1失点。
この「数字以上の完投勝利」の裏には、二つの重要な心理的効果がありました。
① ブルペンの完全休養
第1戦でブルペン陣は大量失点を喫し、消耗が激しかった。もし第2戦でも早期登板が必要だったなら、以降の試合運用に支障をきたしていたでしょう。
しかし山本が9回まで一人で投げ切ったことで、投手陣全体が2日間の貴重なリフレッシュを得ることができました。
② 相手打線への学習効果の遮断
ブルージェイズ打線は、山本のキレのあるボールに終始タイミングを崩されました。
その影響で、次戦以降も「山本の幻影」が残る可能性があり、相手の集中力を分断する効果を生み出したのです。
ウィル・スミス、流れを変えた決勝弾
マウンドを支配した山本に呼応するように、打線ではウィル・スミスが勝負を決めました。
彼は初回に先制打を放ち、さらに7回1アウトからは、相手先発ケビン・ガウズマンの好投を断ち切る ソロホームラン を放ちました。
ドジャース打線はその時点まで 17打者連続凡退。
「山本が投げ疲れる前に追加点を」と焦りが広がる中、スミスの一打がその空気を一変させたのです。
この一発でチームは完全に流れを取り戻し、直後にマックス・マンシーのホームランも飛び出して 5対1の快勝。
少ないチャンスを最大化する効率野球 が光った瞬間でした。
ホームに戻るドジャース、第4戦・大谷翔平の戦略的価値
1勝1敗のタイでロサンゼルスに戻るドジャース。
ホームの声援はもちろん、選手たちにとって心理的安定と慣れた環境が大きな武器となります。
第3戦ではグラスナウとシャーザーのエース対決が予想されますが、シリーズの流れを決める鍵は 第4戦、大谷翔平の登板 にあります。
大谷の登板は、単なる「エースカード」ではありません。
① 安定したマウンド運用
山本が完投したことでブルペンに余裕が生まれ、第3戦のグラスナウ、そして第4戦の大谷へと、理想的なリレーが可能になりました。
② 二刀流の圧倒的存在感
ブルージェイズは、投手・大谷を攻略するだけでなく、打者・大谷への警戒も必要。
まさに「一人で二人分の脅威」です。
もし大谷が第4戦で勝利すれば、ドジャースは 3勝1敗 と王手をかけ、圧倒的に優位な立場に立ちます。
つまり山本の完投が、「大谷を最高のタイミングで起用する」理想的な布石になったのです。
ドジャースの「投打バランス」が描く王者への方程式
ドジャースの第2戦勝利は、マウンドの支配者・山本由伸 と 決定打の男・ウィル・スミス の完璧な調和によって生まれました。
第1戦の大敗ショックを完全に断ち切り、シリーズを振り出しに戻したチームは、いまホームで勢いを増しています。
残りの焦点はただひとつ。
山本が築いたマウンドの余裕を、グラスナウと大谷がどう繋げるか。
そして、ブルージェイズがドジャース・スタジアムの重圧にどう立ち向かうか。
特に第4戦の大谷翔平登板は、今シリーズの運命を決める分岐点 となるでしょう。
皆さんも、投手運用と打線の集中力に注目しながら、この激闘をより深く味わってみてください。